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それはラブか――?

[承前]シオールンです。シオールンですです。日本語病で筆が止まりました。

さて。
きょうは語りかけ文体っぽい感じで書いてみます。人生って毎日が実験です。嘘です。
でもゆきます。

ひたすら暑かった8月もきょうで終わりですね。良い子のみんなは夏休みの宿題終わりましたか。ちなみに今年の僕には夏休みがありませんでした。今週なんて2夜連続徹夜して会社で2泊3日なんてこともありました(まじです)。良い子のみんなは真似しないでくださいね。カラダ壊しますから。え、僕ですか? 僕の場合は大丈夫なんです。なんでかって? では例えばこういうことですよ。徹夜明けの朝、タリーズリやサンまる子やルノアルーン隊長がぽつぽつと出社してきますね、そのときに、ああこの人たちは僕が夜通し原稿と格闘している間に、お風呂にも入って、布団にも入ってぐっすり寝ていたんだろうなあ羨ましいなあ、家に帰ってシャワーでも浴びたいなあ……なんてことをまったく思わないから大丈夫なんですよ、僕は。そんなこといちいち思っていたらこころが折れてカラダにも良くないはずですからね。「愚鈍なれ」ってやつです、意味わかりますかね? ちなみにこのブログだけを読んでると、編集者って何だかギョーカイっぽくて、しょっちゅうあちこちに出掛けてて、とても楽しそうとか思われがちなんですが、それは誤解です。小説の編集者にとって、仕事の大半は机で原稿をチェックしたりパソコンとにらめっこしたり辞書をめくったりする時間にあてられてるんです、地味で地味で地味な仕事なのです。だからもし、おおきくなったらへんしゅうしゃになりたい、って考えてるお友達がいたら、「ちょっと待て」とか「冷静になれ」とか「カラダがいくつあっても足りないぞ」とか忠告してあげてくださいね。
ところで、良い子のみんなは夏休みの読書感想文をもう書き終わりましたか。もしこの週末まで夏休みだったら、こんな小説がおすすめですよ、新文芸の新刊ですよですよ。

ラブかストーリー.jpgラブかストーリー 松久淳+田中渉 著

ね? まずコレすごいカバーですよね? 面白い小説ですよって話し掛けてるようなカバーだと僕は思います。僕ならこのカバーのことだけでも読書感想文を最後まで(例えば原稿用紙10枚くらいまでなら)書いてしまう(というか升目を埋めてしまう)自信があるんですけど、でもそれじゃたぶん100点満点はとれませんね(まあ書き方しだいという面もありますけどね)。だから100点を目指す良い子のみんなは明日、書店に走って入手する必要がありますね。
え? でも400ページもこの週末だけじゃ読み終わらないって? ええ、そう思うでしょ? そういう人はお気の毒です。いままで面白くてページをめくる手が止まらないって体験したことないんでしょうね。良い子のみんなはこれからいろいろとたくさんのことを“体験”していくんですから、それはまったく恥ずかしいことじゃないんですよ、この作品で初体験すればいいだけの話ですし、この作品こそ未体験ゾーンに突入するにはもってこいです。安心してください、この物語の主人公の高校生・達也もみんなと同じでいろいろと未体験ですから。
そんないろいろと未体験な達也(あだ名はタッチ)が通学途中に出会った美少女に一目惚れしてしまうのです。初恋ですね。良い子のみんなにもこれからそういうことがあるかもしれません。ちなみに僕には高校時代「通学途中に出会った美少女に一目惚れ」の経験があります、身につまされますね。電車のなかで見かけた(ショートヘアのかわいらしい)女子高生が近所のコンビニでバイトしていたときは焦りましたし、勝手に「これは運命かもしれない」と思いを馳せて、僕はそのコンビニに通いつめることになるわけですが、そんな僕の甘酸っぱい思い出話はここではどうでもいいことです。で、物語の主人公・達也もいろいろと妄想をふくらませます。「妄想」っていうのは、まったく根拠のないきわめて主観的な想像のことです、良い子のみんなにはちょっとムズカシイかな? 余計わかりづらい説明でしたかね。僕の例を挙げれば「これは運命かもしれない」っていうのがまさしく妄想です。わかるかな? みんなも好きな女の子や男の子ができたとき、きっとそういうことがあると思いますよ。コンビニのレジ越しに「ありがとうございました」と向けられた彼女の笑顔はきっと僕への愛だとか思っちゃうことが。うーん身につまされます。読書感想文では、そのあたりも恥ずかしがらずにしっかり書いて、書きながらまた考えを深めて、さらに書き込んでみてくださいね、そうすれば100点満点です、約束します。
あ、あとそれから。ページをめくっていけばたぶん気づくことですが、この作品『ラブかストーリー』はとても凝った編集作業がなされています。良い子のみんなも、これまで読んできた小説のページとはちょっと違うって思うはずですよ。編集者の僕の立場から言わせてもらえば、小説本作りの可能性を拡げるような凝ったページが最後まで手抜きなくつづきます。少し大げさに言えば、小説のカテゴリーからはみ出したページ作りです。「カテゴリー」ってことばの意味は辞書を引いてくださいね。こりゃ担当した編集者もたいへんだったろうなあ、と僕には容易に想像できました。これこそが編集者から作品への「ラブ」ってやつなんですよ。地味で地味で地味な仕事の結晶です。僕も、消えた夏休みのことなんて考えずに引き続きがんばっていきますから、良い子のみんなも宿題がんばってくださいね。ほら、『ラブかストーリー』のカバーの人たちもみんなを応援してますよ。

【おまけ】
お弁当.jpg
夏休みはありませんでしたが、
このお弁当食べてたときだけは少し夏休み気分でした。
8月のある土曜日、新幹線の車内で。
品川名物貝づくしです。ちなみに日帰りです。

投稿者 シオールン : 2007年08月31日 19:44