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旅人。
[承前いきます]ずっと“オザキ”を歌い続けて、さすがに疲れてきたシオールンです。駆け抜けてるだけじゃしんどいし、たまにはお休みも必要ですし、そもそもバイクを盗んではイケナイなとマイクをそっとカウンターに置き、そう言えば浜省(浜田省吾さんのことです)は「盗んだバイク」じゃなくって、「きみの親父の車」(確かラストショーという曲です)だったなあ、などとふたりのミュージシャンの詩のココロネみたいなものに思いを馳せてるシオールンですです。そのとき、カウンターの上で煌々と光るカラオケのリモコンの横で、もうひとつ小さく何かが光っているのに気づきます。携帯電話がメールを受信している灯りです。ずっとひとりだったんで、僕は何かに救われたような気持ちで携帯電話を開きました。開くと同時にそのときの時刻も知ることになります。午後4時。いつのまにそんな時間が流れていたのでしょう、もうこの居酒屋みたいなお店に取り残され10時間以上経っている計算になります。届いたメールはお店のマスターからでした。〈まだ寝てんの?5時にはお店行くから〉メールにあったのはそれだけでした。メールをもらったら(もらったことに気づいたら)返信するのが(僕の場合)普通ですが、いくら親しくさせていただいてるマスターとは言え、さてどう返事を書いていいものなのかと、ケータイを押す指が止まりました。で。頭の中で整理します。勝手にしたこと1:お店のミネラルウォーターをらっぱ飲み。勝手にしたこと2:お店のテレビを点けてた。勝手にしたこと3:お店の食材と厨房を使って朝食(納豆オムレツ)をこしらえた。勝手にしたこと4:お店のビールを飲んだ(何杯も)。勝手にしたこと5:カラオケ歌った(何曲も)。かいつまんで言えばこんなとこですが、マスターへの返事で果たして僕はどこまで書いていいものなのか、書くべきなのか――またこの先を話すと長くなりますので、今回もこのへんでやめときます。
さて。
連休をはさみましたが、バリバリお仕事がんばってみています。と言っても、きのうは頼みのメープル&ハニーも早あがりで、僕は僕でまったく余裕がなく、ブログを更新できませんでした。
「シオールン、ちゃんとブログ書きなさい!」
と、ルノアルーン隊長にもきょうの夕方叱られてしまいました。隊長のことばはつづきます。
「まったくもう! きょうホントはアタシが書く番だったんだから! 5月11日、きょうこの日のためにアタシがどれだけアイデアをひねり出して、心の準備をしてきたか、この壊れやすい女子の心でよ! シオールン、アナタ分かってるの!」(これは脚色です)
そういうわけで、ルノアルーンの切れ味鋭い日記を期待されたみなさま、すみません、きょうは僕の日記です。ルノアルーンの切れ味鋭い日記(しつこい)は来週月曜日お楽しみください。
で。ブログはきのう書き損じましたが、連休ボケもなくお仕事がんばってみていることは確かです。
連休をのんびり過ごしたのにもかかわらず、連休明けに僕がシャキっとしていたのにはちょっとした訳があります。
はい。やっとここから本題です。
5月6日。連休最終日の昼下がり。
僕は、TBS系列で放送されていたあるTV番組を観ました。前からずっと楽しみにしていた番組です。タイトルは「美の旅人“パリ・バルセロナ”二都物語」。
この番組の中で、久しぶりに拝見したその作家の顔、姿、たたずまい、また久しぶりにお聞きした声、ことばに、半ば連休ボケの僕の背すじはTVの前でシャンと伸びました。
僕がその作家の姿やことばで、なぜ背すじを伸ばしてしまうのか、それを書き始めると文量的にも、書く僕の精神的にもたいへんなことになってしまいますのでここでは省かせていただきますが、いずれどこかで何らかのかたちで(自分自身のために)書くときが来るような気がしますし、書かなくてはいけない気もします。もちろんシオールンとしてでなく、です。まあ、それは置いといて……。
ともかくその作家と出逢っていなかったら、僕はきょうこうしてブログを書いていなかっただろうと思います。こう書いてもまったくオーバーではありません。
作家の名は、伊集院静。
番組は、つい先日刊行されたこの1冊の本をベースに構成されていました。
作家・伊集院静さんが「1枚の絵画」との出逢いを求めて実際にフランス各地を旅し、作品にふれ、また画家の暮らした町や作品のモチーフになった土地の風の中で綴った「絵画紀行文」が400ページ以上にわたって収録されています。
また、本文で紹介されている絵画が150作品も掲載されていますから、ちょっとした画集にもヒケをとらないボリュームで、さらに画家や絵画に関連する写真も多数ありますし、とても豪華な本に仕上がっています。そう確信しています。
2年前に刊行された前作『美の旅人』では、ゴヤ、ダリ、ミロらスペインの絵画を巡る旅でしたが、今回はそれを受けて「フランスへ」とあります。美の旅人はスペインから印象派が生まれた都フランスへ舞台を移したわけです。モネ、ゴッホ、ピカソ、ドラクロワ、ラ・トゥール、シャガール、ロートレック……絵画に興味のない方も一度は耳にしたことがある名前ではないでしょうか。
以前もここに書きましたが、僕は絵画に関してそれほど造詣が深いわけでも何でもないんですが、この絵画紀行文が連載されていた当時(まだ学生でした)からの読者で、少しわかりずらそうな絵画の世界をその連載でいろいろと学んでいたような気がします。
で。いまから思うと、それは作家(小説家)のことばだったからだ、と思うのです。
作家のまなざしを通して一度その絵を、その画家の周辺を咀嚼して、読者の関心を惹きつけることばやこころに届く美しい文章で、絵画の世界を本書は紹介しています。まるで一篇の短篇小説を読み終えたような読後感が、1枚の絵画の前に広がるわけです。おそらく当時の僕が、ほらこれが絵画の世界だ、と1冊の専門書を手渡されたとしても、それほど興味を持てなかったように思うのです。ですから、絵画には興味があるけどなかなか踏み込めない、という方にもぜひおススメしたい絵画読本です。「1枚の絵画」との出逢いがそうであるように、ひとりの作家との出逢いがそうであるように、ことばや文章や1冊の本との出逢いは(オーバーでなく)時として財産みたいなものにもなります。そう思います。
それからここからは告知です。
この本の出版を記念して今月、伊集院静さんのサイン会が東京と大阪で開催されます。詳細を以下に簡単にまとめておきます。
◎5月25日(金)18時半~
旭屋書店(銀座店/東京・銀座)
◎5月28日(月)18時~
旭屋書店(本店/大阪・梅田)
*どちらもサイン会参加には整理券が必要です。
はい。僕ももちろん何とか時間の都合をつけて、サインをいただきに行きたいと思っています。伊集院さんとお会いするのは久しぶりのことなので、いまから緊張してしまいます(まあ、毎回そうなんですが)。
このブログをご覧のみなさまも、よろしかったらぜひご参加ください。
【おまけ】

僕の連休の風景です。
プチひきこもりに飽きて外出してきました。
道頓堀に鯉のぼり。たぶんシャレですね。
「道頓堀」って10回言ったら、
「鯉のぼり」に聞こえます(ウソです)。
投稿者 シオールン : 2007年05月11日 23:59


