夏は好きですか?
先週末、散髪に行き、結構サッパリしたと自分では思っていたのですが、それについて編集部内で指摘してくれたのは、タリーズリだけで、なぜタリーズリだけかというと、「週末は散髪行ってこよ」と僕が予告していたからで、やはり誰にも気づかれないことに変わりないようです。まあ、別にどうでもいいことなんですが、ルノアルーンの黒目、タリーズリのヘアカラー、サンまる子のヘアスタイルにつづき、これで仲良くオアイコ、ヘイワがいいに決まってる、という感じになりました。
東京の空は今日、久しぶりに晴れわたり、いよいよ「夏」を思わせます。
先週末、散髪に行ったとき、もう10年来の付き合いになる理容師さんにこんなことを訊かれました。顔を剃ってもらいながら僕は気持ちよく眠ってしまっていて、椅子の背もたれを突然ズンと起こされ、思わず目が覚めたときのことです。
「夏は好きですか?」
寝ぼけ眼の僕にとって、この質問はあまりに漠然としていて、どう答えていいのかわからず、また理容師さんがどういう答えを期待してそれを僕に訊いたのかもわからないまま、僕はいい加減に答えはじめます。
「夏は……え~っと、好きですね。……暑~い陽射しを浴びて、汗だくになって身体じゅう火照った状態でクーラーでキンキンに冷えたところに入る瞬間なんて最高です、たとえばデパートとかコンビニとか銀行とか……」
話しているうち、自分の言ってることがかなり的外れで、本末転倒なことに僕は気づきました。理容師さんとのその話題はそこで終わりました。
さて、ここからが本題です。
この夏、新文芸の新刊が続々刊行されるということを先週も書きましたが、昨日その中のひとつ(僕としては目玉)『携帯メール小説』の見本が、編集部にどっさり届きました!8月2日発売で、またギリギリのスケジュールで作業を進めていましたので、こんなに早く届いたのは正直言って驚きです。印刷所のみなさま、製本所のみなさま、ありがとうございました。
「きらら」の創刊以来スタートした携帯メール小説大賞が、創刊から3度目の夏を迎え1冊の本にまとまりました。
この本は、読者のみなさまから応募していただいた作品が核になっている本です。掲載される作品の数には限りがありましたが、それ以前に、これまで携帯メール小説大賞にご応募いただいた、すべてのみなさまのおかげで出来上がる本だということを、編集作業をしながら僕は痛感しました。少し大げさに言えば、「きらら」という雑誌と読者のみなさまと、選考をしていただいている佐藤正午さん、盛田隆二さんの間から産まれた本のように思えるのです。
この結晶のような1冊も、多くの読者のみなさまに楽しんでいただければ、と僕は(いや僕だけでなく「きらら」編集部一同)思っております。店頭で見かけられたら、ぜひ手に取って、よかったらご購入ください。そう言えば、書店もクーラーが効いて快適なところが多いですね。
【追記】
家を出る前、先日手に入れた吉行淳之介さんの短篇集を僕はカバンに入れました。今日から通勤時間に読もうと思ってです。吉行さんは僕にとって非常に大切な作家さんのひとりなのですが、地下鉄の中で巻末にあるプロフィールを見てドキっとしました。今日は吉行さんの命日です。12年前、そう言えば夏だったな、と思わぬめぐりあわせに僕は背筋を伸ばしてページをめくりました。
*吉行さんはいい人でした。週刊誌の新米記者だった僕の取材にも、きちんと対応して下さいました。今日、家に帰ったら「薔薇販売人」を読むことにします。(編)
投稿者 シオールン : 2006年07月26日 17:40

